わんこのおたくガタリ

ここはわんこの語るアニメ、まんがのおたくバナシです! 最近では刀剣乱舞と2,5次元にハマリ中☆ 至らぬところだらけのブログですがどーぞよろしくお願いします♪♪

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飼い主の条件②




そんなわけで二話目です。

アドバイスありがとうございました。
とっても参考になりました(^v^)

今回も知人はイヤんですからね!

見ても私に感想とか言っちゃいけない。

死んじゃうにょ(本気で)

でわでわ・・・














































すっかり更けた夜のマンションの一室にピンポーン、と軽快なチャイム音が響
く。
インターホン越しに相手を確認して今日もか…、と半ば諦めた気持ちで嘆息する
と、凪は玄関の扉を開けた。

その先にいたのは視線だけで人を殺せそうな鋭い目つきをした赤茶髪の長身の青
年――つまりは安藤充だった。

「帰ったぞ」

「…は、はい…」

 尊大な態度で帰宅を知らせた男は素直に頷く凪に何故か違うとでも言いたげな
、不満げな表情をする。

何か間違えたのだろうか、と怯えるが相手がそれ以上何も言わずに靴を脱ぎだし
たので不安がりながらも凪は途中だった料理の続きにキッチンへ戻った。


 あの日から凪と充のおかしな『飼い主とペット』の同居生活が始まった。

 初めは何か止む終えぬ事情があって一泊するのだろうと思い込んでいた凪であ
ったが、次も次も次も、その次の夜も訪れて当然のように寝起きしていく充を見
てどうやら本気らしいと悟らざるえなかった。
 ――本人曰く自分の家に帰っているだけ、らしいが。

 そんな日々に五日過ぎた辺りから凪も非常に不本意ながら順応しだして、夕飯
も言われるがままに作り、それを「マズい」「最低な物体」と一蹴されるのが日
常になってきている。

 料理センスが限りなくゼロに近いのを自他共に認める彼女は本当は料理なんて
したくない。
しかし、それを自らの舌で確認済みのはずな充が毎日作るように命令するので泣
く泣く手料理を披露する羽目になっている。
 今日も今日とてお互いが囲む真四角のテーブル上には、凪お手製の黄色、と言
うよりは茶色い固形物が異臭を放ちながら自己主張をしている。

その上には惨劇を思わす真っ赤なトマトケチャップが撒き散らしてあり、その不
思議な食べ物(?)を充はじっ、と見つめていた。

「…これは?」

心の底から不思議そうに聞かれて、凪は羞恥に頬を染める。

「…オ、オムライス、です…」

 空気に消えてしまう程か細い声でそう言うと、充は「…そうか、犬の餌か」と
頷いた。

「……」

 一口含んで「マズ…」と呟く充。手料理に関してはこのように毎度毎度小姑宜
しくの手厳しい評価を頂いている。
(だったら、作れなんて言わないでほしい…)
密かに思っている凪だが、そんな素直な気持ちを口にしたあかつきには元々キツ
い目に更に力を込めて睨まれてしまうのは明白だ。
ガラス細工より繊細なハートの持ち主の彼女はそれを受ける覚悟なんてあるはず
もなく、泣く泣く充に続いて『犬の餌』を口に運んだ。

*

 最近では二人で夕食を済ませた後、充が床に寝そべってテレビを眺めている間
に凪が後片付けを済ませ、客人用の布団を居間に敷いて充がそこに寝るというの
が当たり前になってきた。

 因みに凪は自室が別にあるので当然ながらそこで寝ている。なので男女一つ屋
根の下、「イヤンバカン」なもにゃもにゃした関係ではないのを彼女の名誉の為
に言っておこう。

 当初、自分の部屋で寝ると言われたらどうしよう、と半泣きで心配していた凪
であったが、不思議なことに充は絶対に彼女の部屋には入ってこようとはせず「
俺はここで寝る」と居間で寝起きすることを自ら決めてしまわれた。

人の家で無遠慮を尽くす男がどうした思考回路での発言かは凪には分からないが
、何にせよ今のところそれだけが彼女の救いだった。布団を敷いたらすぐに自室
に籠もってしまえば良いのだ。
まるで軽い引きこもりのようではあるが地味女を自称する凪にとってそれはあま
り重要ではなかった。

 そんなわけだから、今日もそうやって一日が終わるのだと凪は思っていた――
が。

「――あ、の…」

広くもないが狭くもない居間の一室で、凪の声はよく響いた。

「…んだよ」

 声をかけた相手は憮然と返事をする。
思わずギクリと凪の体は緊張するが自分以外の体の重みに抑えられてあまり揺れ
はしなかった。

 はっきり言って凪はこの男――安藤充が苦手だ。
威圧的で高圧的で猛獣を思わす鋭い目つきの充は、凪にとって出来るならあまり
会話したくない人トップテン入りする。
しかし、そんな思いをねじ曲げてまで自ら口を開いたのは止むに止まれぬ理由が
ある。

「…あああ、あの…なななな、何で…くっつかれてるんでしょうか…」

 そう、只今充は凪の腰に腕を周し、引き寄せるような形でその膝の上に頭を乗
せているのだ。
隙間がない。
密着である。
男性経験など皆無に等しい凪には恥ずかしいやら気まずいやらで物凄く参ってい
た。
慌てふためく凪の顔を充はじっと見つめる。

「…お前さ、俺を『飼ってる』んだよなぁ」

「…は、はい……多分」

多分じゃねーだろ、と下から睨まれて凪は即座に謝罪する。 しかし、ろくに会
話もしたことのないのに学校帰りに「俺を飼え」と押し売り詐欺宜しく詰め寄り
、半ば強引に凪のアパートに住み着く相手を「私のペット」なんて思える図太い
神経は生憎と持ち合わせていない。

そんな凪の思いなど気づくはずもない彼は、しっかりと腕を巻き付けたまま語り
出す。

「ペットって普通、頭撫でたり一緒に寝たりしねー?」

「は?」

なんですと。言葉の意味が飲み込めず凪は思わず聞き返してしまった。

「だからだ」

凪の聞き返しも何のその、あっさりと無視をされ断定的に言われるが残念ながら
凪にはサッパリ言葉の意味が理解出来ない。
その合間にも腰にある腕が逃がさぬ、とでも言うようにキツく締め付けてきて―
―凪は猛獣に舐め上げられる捕食物の心境だった。

「…あああ、あの…で、出来たらもう少し…は、離れてもらえませんか…」

くっつくのがペットの役目の一環だと言うのなら少し違う気もするが確かにそう
であるような気もする。

しかし、これは些か密着度が高すぎではないだろうか。
いやそれよりもまず、相手は犬猫ではなく人間なのだ。
しかもれっきとした男性。

ジーンズ越しに伝わる頭の重みと、腰周りをホールドしている自分よりも些か太
くて逞しい腕の感触に何か色々とマズい気がして凪は懸命に逃げようともがき続
けていた。

しかし、そんな徒労も虚しく相手は腰に回した腕を決して離そうとしない。
凪は暫く頑張っていたが、ついには力尽きてくたっと背中のクッションによりか
かった。

「……」

 軽い恨みを感じながら、手持ち無沙汰になって凪は膝上の男の横顔を見つめた

ブリーチで少しぱさついた赤茶の髪が痛々しい。その隙間から見える赤いピアス
と銀のイヤーカーフをつけた形のいい耳や割と高い鼻、長くも短くもない睫で覆
われた切れ長の瞳は間近で見ると少し茶色がかっているのを発見した。その目は
テーブルを挟んだテレビに向けられているが大して面白くもないらしく、つまら
なそうな表情をしている。
凪が逃げるのを諦めた途端に離れた腕は長い足と共に床に投げ出されていて実に
自然体だ。
――何だか緊張して堅くなっている自分の方が馬鹿らしくなって凪はふぅっと溜
め息を吐いた。

「…どうした」

チラッと突然視線を向けられて肩を震わせて驚いてしまう。

「…あああ、いえ、その……レ、レポート、してもいいですか?」

慌てて適当に口走ったのだが、本当に明日提出のレポートがあったのを思い出し
て、凪はサッと青ざめる。
「好きにしろ」と許可を貰ったので、すぐに近くに放置されていた自分の鞄をな
るべく膝を動かさぬよう注意しながら腕を伸ばして取ると、中から筆記用具と途
中まで書かれているレポート用紙、それと参考文献を取り出してテーブルの上に
出し、即座にペンを走らせ始めた。

 部屋の中に響くブラウン管越しの大袈裟な笑い声とカリカリと紙をなぞるシャ
ープペンシルの音とをBGMに凪の集中力は高まっていった。


*

 どれくらい経っただろう、後少しで書き上げるといったところで「…おい」と
珍しく控え目な充の声が真下からした。
集中し過ぎて自分の状況をすっかり忘れていた凪は「へ?」とすっとんきょうな
声を上げて自分の膝元を見るが、そこに赤茶髪を見つけて(――ああ)と驚きなが
らも現状を把握した。

「…は、はい…なんですか?」

表情が見えるように後ろに仰け反りながら聞く。
しかし、不思議なことに自らの意思で膝枕している筈の赤茶髪の青年の方は、何
やら視線を泳がせ、ほんのり頬を染めて「コホン」などとわざとらしい咳をして
いる。

「?」

どうかしたのだろうか、疑問に思って凪は首を捻る。
青年はなおも赤い顔のまま、「もう少し…背筋を伸ばせ」と気まずそうに呟いた


 言われてみれば、確かに前かがみになっていた。
最初は姿勢を正して書いていたのだが、本格的にレポートの方に集中し出すと、
いつの間にか楽な前かがみ体勢になっていたようである。

「え…、は、はい…」

 急いで背中を伸ばすと青年は安堵したような残念がっているような不思議な溜
め息を吐いた。
凪への姿勢の指摘も、そのおかしな態度にも理解出来ずに益々疑問符を飛ばすし
ていると「もう終わったのか」と聞かれた。

「あ、いえ、後、もう少しです」

そう答えると充はふーん、とまたテレビに視線を向けた。
それを見て軽く首を傾げてから凪は再度レポートに専念し出した。


*

 凪は宣言通り少しするとレポートを終了させた。まずまずの出来に満足感を覚
えて息を吐いて肩の力を抜く。
しかし、次の瞬間不可思議な視線を感じて下を向いた。

すると、充が凪の顔をじっと見つめているではないか。

 時折自分を観察対象であるかのようにじっと見つめているのは知っていたが、
いつもは体格的に上から見下ろされている。それが、下から見上げられるのは初
めてで――居心地の悪さと密かな恐怖心で身がすくむ。

もしやずっと見ていたのだろうか、凪は恥ずかしいような泣いて謝りたいような
気持ちになりながら「…あ、あの…」と声をかける。

「終わったのかよ」

「…は、はい…終わり、ました…」

萎縮しながら返事をすると「見せろ」と言われたのでおとなしく今し方書き上げ
た物をおずおずと渡した。
じっ、と食い入るようにレポートを見つめる充。

その真剣な横顔に凪は何かおかしな点でもあったのだろうか、と不安に思ってい
ると、充は凪が全く予想だにしないことを言った。

「……お前さ、字ぃ綺麗だよな」

「…へ?」

鳩が豆鉄砲を食らったとは多分こういうことを言うのだろう。凪はあまりに驚き
過ぎて思考が停止してしまった。

「…あ…え? …え゛??」

「お前の字は結構好きだ」

猛獣が見たことのない優しい笑みを至近距離で向けた。

――ディープインパクトだ。
馬の方ではないディープインパクトだった。
びっくりし過ぎて凪は目が飛び出るほど大きく見開いて固まってしまう。
言葉の意味を反芻しているうちにボボボッと噴射花火のように顔から炎が出る勢
いで熱が溜まる。
顔が熱い。
耳も熱い。
喉奥も熱い。
きっと全身の血が沸騰しているのだろうと凪は思った。

俯いてやり過ごそうにも相手が下にいるので無意味な行為だ。
それでも殆ど癖になっている彼女は反射的に真っ赤な顔のまま俯くと、それを見
た男は笑い声を上げた。

「ははっ」

何が可笑しいのか、嬉しそうに笑う男の意図が全く読めず凪は混乱する。

しかし――

(……そう言えば、この人が、声を立てて笑うのは…初めて見る)

熱でふやけた頭でそのことに気づき、意外に柔らかい印象になる笑顔に凪はうっ
かり見惚れてしまった。

*

 自室に戻るとベットにダイブした凪はすっかり痺れてしまった足を揉みほぐし
ながら今日起こった様々な出来事を思い出して赤くなったり青くなったりした。

と、膝枕の途中突然様子のおかしくなった充のことを思い出しておもむろに上半
身を起こす。
両足は投げ出したままで充の頭より少し大きめの熊のぬいぐるみを膝に乗せて充
の時と同じ状況にする。
そして、そのまま前かがみになってみた。




――ぷにっ。



「……っ」

凪の空気を割く悲鳴が夜闇に響いた。



***


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Author:わんこのよめいり
長期間放置してましたが、一念発起でもう一度してみようかと。
アラサーになってしまったオタク女子ですw
基本雑食なので結構なんでもイケます。

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